歯周病を防ぐための正しいセルフケア ― 当院医師からのお薦め
歯周病は糖尿病や心臓病など多くの全身疾患と関係が深く、毎日の口腔ケアが予防の基本です。以下の3ステップを、最低1日1回、集中して丁寧に行うことをおすすめします。
① 歯間の汚れを先に取り除く
まず最初に、歯間ブラシを使って歯と歯の間に詰まった汚れを取り除きましょう。特におすすめなのは、ゴム製のやわらかいタイプの歯間ブラシです。金属ワイヤーのものと違い、歯ぐきを傷つけにくく、継続しやすいのが特徴です。歯ブラシだけでは約60%しか汚れを落とせないとも言われており、歯間清掃はとても重要です。
② 歯肉に優しく、炎症を抑える歯磨きを
次に、歯肉炎に効果のある薬用歯みがき粉(例:デントウェルなど)を使用して、歯と歯ぐきの境目を意識して磨きます。できれば電動歯ブラシを使うことで、一定の圧力で効率よくプラークを除去できます。歯ぐきをマッサージするように、強くこすらずやさしく磨くのがコツです。
③ 仕上げに薬用マウスウォッシュ(リステリン)
最後に、殺菌力の高いリステリンなどのマウスウォッシュを使います。歯磨き後の仕上げとして使うことで、口腔内の細菌の再増殖を抑える効果が期待できます。ポイントは、使用後に水でうがいをしないこと。成分が口腔内にとどまり、効果が持続します。また口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)を抑える働きがあります。
■一日一回でも、丁寧にやれば効果あり
すべてを毎回完璧にするのは難しくても、1日1回だけでも「時間をかけて丁寧に」行うことが大切です。就寝前など、時間のあるタイミングに集中ケアを習慣づけましょう。
■口臭は「お口の炎症」のサインかもしれません
実は、口臭は歯周病の初期症状として現れることが多く、体の健康状態を知る手がかりにもなります。「最近、口臭が気になる」「朝のネバつきが強い」と感じたら、口腔ケアの見直しと、歯科でのチェックをおすすめします。