KIDNEY腎臓内科

腎臓の病気

腎臓の病気

腎臓病と付き合っていくには、病気の早期発見・治療だけでなく、いかに進行を遅らせるか、そして、じっくり継続して治療を行うことが重要となります。

腎臓は一旦機能が低下すると、根本的な治癒は困難な場合が多く、腎不全が進行し腎機能が正常の人の約1/10程度に低下した場合には生命維持のため、血液透析やCAPDと呼ばれる腹膜透析、腎移植の中から治療法を選択する必要が出てきます。そのような状態になる前に、当院では腎臓病専門医が、症状のステージを把握し、適切な治療を提案します。腎臓病の原因となる、その他の疾患やステージの診断をしっかり行った上で、薬の処方や食生活のアドバイスも行います。

腎臓の病気

腎機能が低下した時に現れる症状

腎臓が行う最大の仕事は、身体の中に溜まった老廃物を取り除くことであり、同時に水分や塩分のバランスを保つ機能も兼ね備えています。
しかし、この腎臓の働きが悪くなると、初期段階では、普段は尿に出にくいタンパク質や赤血球が漏れ出したり、むくみやすくなったりするといった症状が現れます。また、慢性腎臓病(CKD)は自覚症状がないため、発見が遅れる事が多い病気です。進行が進むと元の働きを取り戻すことができない恐ろしい病気のため定期的に検査を受けることでこれらの危険信号を見逃さないことが大切です。

こんなお悩みがある方はご相談ください

  • むくみがある(足・手・顔がパンパンに腫れたようになる)
  • 検尿でひっかかった
  • 脈が弱い
  • 健診で腎臓病の疑いがあると言われた
  • 貧血やめまいがする(※腎性貧血)
  • 腎臓病治療を中断してしまった
  • 頻繁な頭痛がある
  • 疲れやすい、食欲がわかない
  • 爪の色が悪い
  • 息切れがする

貧血の中でも、腎臓の働きが低下することによって起こる「腎性貧血」は心臓や腎臓に悪影響を及ぼすため、血液検査で調べ、重症へのリスクを回避します。

検尿で異常が見つかった場合

尿検査の異常=腎臓病とは限りません

会社などの健康診断で、「尿検査に異常が出た」とご相談いただくことがよくあります。
検尿でタンパク尿、血尿(尿潜血陽性)が見つかっても、必ずしも腎疾患であるとは限りませんので、まずは来院いただき、腎臓の状態を確認させてください。
タンパク尿が出る例としては、激しい運動後、極端に水分の摂取が少なかったり、多量の汗をかいた後です。この場合、尿が濃縮されるため、尿試験紙による検査では誤って陽性と判断されることもあります。
検査時の状況を把握することも重要です。

POINT

慢性腎臓病と高血圧の関係

慢性腎臓病(CKD)とは慢性に経過するすべての腎臓病を指します。 このような患者様は日本に1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。 
腎臓は、背中側の腰の上あたりに位置し、左右1個ずつあるそらまめの形をした臓器です。実はネフロンと呼ばれる小さな構成成分の集合体で、片方の腎臓で約100万個ずつあります。
1つのネフロンは糸球体と呼ばれる毛細血管のかたまりと、それに続く尿細管から成り立っていますが、血液をふるいにかけ老廃物を取り除いているのは糸球体と呼ばれる器官でフィルターのような役目をしています。
この濾過フィルターの良し悪しで腎機能が決まります。このフィルターの性能(腎機能)を悪化させる最大の要因は高血圧です。すでに腎機能の悪化を認める場合はさらなる悪化防止のために、血圧を130/80未満に目標を設定する必要があります。しかし、確実に下げるには、塩分制限以外にも降圧剤の併用が必要な場合が多いようです。とにかく、高血圧による血管の損傷を防ぎ、腎機能を維持するためには、何が何でもきっちり目標値まで下げることが最も重要です。逆に降圧剤の服用を嫌い、症状がないので放置されてしまうと、最終的に深刻な臓器障害に至ることがあるので注意が必要です。

検査内容

当院では主に以下の検査を実施します。(紹介により他院で行う検査も含みます)

  • 尿検査

    • 尿タンパク
    • 血尿
  • 血液検査

    • 血清クレアチニン
    • 血液尿素窒素
  • 画像検査

    レントゲン、エコー(超音波)、CT、MRIなどの検査で、腎臓の大きさや形、結石や腫瘍の有無などを調べます。

  • 腎生検

    腎臓病が強く疑われる場合に行われる検査で、腎臓の組織を採取し、その変化を見ることで、腎炎の種類や病気の程度がわかります。