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歯周病と全身の健康①~歯周病と糖尿病の関係~

1.糖尿病との深い関係 

みなさんは歯の炎症である歯周病は、全身の健康と関係があることはご存じですか?

歯周病は単なる口の病気ではありません。

近年の研究で、歯周病が糖尿病をはじめとする多くの全身疾患と密接に関わっていることが明らかになっています。

特に糖尿病との関係は双方向です。糖尿病があると免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。

一方で、歯周病の慢性炎症がインスリンの働きを妨げ、血糖コントロールを難しくすることもあります。

実際、歯周病の治療によってHbA1c(ヘモグロビンA1c)が改善するという報告もあります。

それだけではありません。歯周病に関連する炎症性物質や細菌が血流を介して全身に広がることで、心筋梗塞脳卒中などの心血管疾患のリスクを高めるとされます。

また、高齢者では嚥性肺炎の原因菌が歯周ポケットから検出されることもあり、認知症との関連も示唆されています。

さらに妊婦では歯周病によって早産や低出生体重児のリスクが増すとの報告もあり、大腸がん膵がんなど特定のがん種との関連も注目されています。

歯と歯ぐきの健康は、体全体の健康にもつながります。

日々の歯みがきに加え、定期的な歯科受診も生活習慣病の予防・管理の一環として大切にしていただきたいです。