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令和6年度コロナワクチン予防接種について

令和6年度コロナワクチン予防接種

接種期間

受付中~令和7年2月28日(金)

 

料金

一宮市民の満65歳以上  2,000円(市の補助でおひとり1回)

 65歳未満     15,000円

 

コロナワクチンの接種が開始されて、たくさんの患者さんから『打つべきか迷っている。どうしたら良いでしょうか?』とのお問い合わせがあります。

今回は院長ブログで質問にお答えしていきたいと思います。

ワクチンの種類

2024年度の今季の定期接種に用いられる新型コロナウイルスワクチンは

従来のファイザー・モデルナに加え第一三共の各社のmRNAワクチン

アメリカのノババックスが開発し武田薬品工業が販売する組み換えたんぱくワクチン

Meiji Seikaファルマ次世代型mRNAワクチンの5種類です。

このうち今回初めて接種に使われるMeiji Seika ファルマのワクチンは【レプリコンワクチン】とも呼ばれ変異ウイルスに対応した製品として9月に新たに承認されました。

このワクチンにはmRNA自体を体内で複製する酵素も組み込まれています。

mRNAが体内で複製されて増殖するため、従来のmRNAワクチン(ファイザー、モデルナ、第一三共)よりも強い免疫反応を得ることができるとされています。

しかし増殖が過度に進み、他の健康な人に伝搬するなどの危険性も危惧されています。

この辺りはまだ十分な経験がないため慎重な見極めが必要です。

当院において採用したのは、これまで最もなじみのあるmRNAワクチンであるファイザーコミナティと、武田薬品工業が製造した組み換えたんぱくワクチンのヌバキソビッドです。

 

【mRNAワクチンとは】(コミナティ)

Sたんぱく質というコロナウイルスの表面にあるたんぱく質にそっくりなものを作るための遺伝子情報、mRNAやDNAが主成分です。

注射をすると体内の細胞に取り込まれて、体内でSたんぱく質が作られます。

このSたんぱく質に対する中和抗体(体内に入ってきたウイルスや細菌を排除し、感染を防ぐ作用のある抗体)や細胞性免疫(抗体などを介さずに免疫細胞そのものが直接攻撃するタイプの免疫反応)が得られることで本物のコロナウイルスワクチンが体内に入ってきても「こいつは悪者である」と認識して退治できるという仕組みです。

【組み換えたんぱくワクチンとは】(ヌバキソビット)

B型肝炎ワクチンや帯状疱疹ワクチンなど世界中で幅広く使用され、長期の使用実績のある技術で作られています。

ヌバキソビットは武田薬品工業がノババックス社から技術移管を受けて国内工場で製造されたワクチンで、培養した昆虫(蛾)細胞に新型コロナのSたんぱく質と類似したたんぱく質を作らせて精製、微小粒子化したものを注射します。

この場合もSたんぱく質の類似物に対する中和抗体や細胞性免疫が得られることによってSたんぱく質を持っている本物のコロナウイルスが体内に入ってきても退治できるという仕組みです。

 

簡単に説明すると、mRNAワクチンは患者自身の体内でSたんぱく質を作らせる

組み換えワクチンは昆虫にSたんぱく質の類似品を作らせて出来上がったものを注射する

ということです。

 

コミナティ(ファイザー社) ヌバキソビッド(武田薬品)
分類 コロナウイルスmRNAワクチン 組み換えコロナウイルスワクチン
主な副反応 痛み、疲労、頭痛(50%以上)

筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱、下痢、腫れ(10~50%)

赤み、リンパ節の腫れや痛み、嘔吐、疼痛(1~10%)

痛み、疲労、筋肉痛、頭痛(50%以上)

倦怠感、関節痛、吐き気、嘔吐(10~50%)

腫れ、しこり、赤み、発熱、四肢痛(1~10%)

接種不適当者 妊婦、体調不良者、アナフィラキシー体質者、免疫不全状態の方 妊婦、体調不良者、アナフィラキシー体質者、免疫不全状態の方
有効期間 予防効果の持続期間は確立していない 予防効果の持続期間は確立していない
ワクチンの説明 ウイルスのタンパク質をつくるもとになる遺伝情報(設計図)の一部を使ったもの。 病原体のタンパク質からつくられたもの。

ウイルスそのものは使用されていない。

 

すでに多くの方はある程度の免疫力を獲得されているので、たとえ罹患しても軽症であることがほとんどです。

接種費用の補助があってもワクチンの副反応を考慮すると打つべきか迷われている方も多いかと思います。

私自身も迷っているので、質問の答えにはなっておりませんが、ご自身で判断していただくしかないのではと考えております。