Q&A糖尿病Q&A

糖尿病Q&A

低血糖による事故とは、どんな問題が起こるのでしょうか

低血糖によって発生する事故があると聞きます。低血糖にならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか

 

家庭で血糖の変化を観察することで低血糖になってしまうのを未然に防ぐことができます。

糖尿病治療中の会社員がワゴン車を運転中に低血糖となり、車が暴走し通行人に重軽傷を負わせた事件が報道されたことがありました。
血糖値が急激に下がる時には空腹、発汗、震え、不安、動悸などの自律神経症状が出ますが、血糖値が緩やかに下がる時は、意識の混乱、おかしな行動、集中力の散漫、眠気、発語困難、頭痛、複視、けいれん、昏睡などの症状が出て他の疾患と間違われる事もあります。

また糖尿病が進行し、神経が冒されると上記の自律神経症状などの前兆なしに、突然意識がなくなることがあります(無自覚低血糖症)。
この病態は過去に何度も低血糖を起こした人にも出現することもあり、事故にもつながるため大変危険です。

また血糖管理の指標であるHbA1cが良好でも、夜間に低血糖を起こしている可能性があり、睡眠中に歯ぎしりをする、寝汗がひどい、悪夢にうなされる、寝ても疲れが取れない、起床時に頭痛があるような場合も夜間低血糖になっている可能性があります。

これらの夜間や日中の無自覚低血糖は交通事故や心血管病死と強い関連があり、これらは我々が想像しているよりも遥かに頻度が高いようです。
最近では、持続血糖モニター(CGM)で家庭での血糖の変化を連続して観察出来るようになり、事故が起こる前に未然にチェックすることができます。